火葬された後の拾いきれない粉屑は何処へ消えるのだろうね

満月を見れなかったせいで

おおきな月が欠けていた

 


小さな箱に収まる、背の小さな母

 

火葬された後の拾いきれない粉屑は何処へ消えるのだろうね

ゆすいだ歯磨き粉みたいに下水道にでも流す?

それとも、愛しの人が煎じて飲んでくれる?

 


もしもきみが死んでしまっても

わたしは葬式なんていけないと思う

きみの黄色くくすんだ肌なんてとてもじゃない

 


君が死ぬことは、私が許されない

君を許すことも、永遠にできない

 

 


「あのさ、もしも…」って

ずるいことばかり尋ねてしまうね

きれいなことばかり求めてしまうよ

どうしても生きていられなかった

でもどうしても死ねやしなかった

 

なんでも出来ちゃいそうな夜が何度も訪れたんだよ

消えることさえ簡単そうな人混みに

街頭に溺れるばかりの街並みに

新月を探すような最小の脳内に

白々しい君の顔を浮かべるばかりに

また私の曖昧な記憶を文字にしている

きみの小さな頭にある抱えきれない大きな闇は

私の言葉選びさえ幼稚になるその作り込まれた思考回路は

私が聞いて意味があるものだったのでしょうか